冷え性の原因は?4つの冷えタイプで改善すべき生活習慣が明らかに

冷え性の主な原因には「自律神経の異常」「貧血」「血行不良」「遺伝」などがあげられます。また、冷え性のタイプは4つあり「手足」「内臓」「下半身」「全身」に分けられます。原因やタイプを知ることで、改善方法がわかります。             

冷え性となる原因には、「生活習慣」が大いに関連しています。

そのため、冷え性を改善するには、生活習慣を変えることが必要となります。

しかし、これまでの生活習慣を変えるには時間を要します。

 

ここでは冷え性を4つのタイプに分けて、主な原因について述べていきます。

冷え性の原因がわかれば、改善方法が明確になります。

冷え性の改善方法がわからない人は、原因を知るところからはじめていきましょう。

冷え性の定義

冷え性が、どのような病状を指すのか確認します。

冷え性の定義は文献ごとに異なりますが、日本看護科学学会誌に掲載された文献(※1)では以下のように定義されています。

本研究では「冷え症」を「中枢温と末梢温の温度較差がみられ,暖かい環境下でも末梢体温の回復が遅い病態であり,多くの場合冷えの自覚を有している状態」と定義した。

 

冷え性とは、単なる「寒がり」とは異なり、手足の冷えが主な症状であるとわかります。

 

「冷え性」と「冷え症」、2つの表記がありますが、明確な使い分けについては定められていません。

漢方医学の考え方では、体質としての「冷え性」があり、その中の症状として「冷え症」があるとされています。

ここでは、より広義な意味合いとなる「冷え性」を使います。

 

医学的に見た冷え性

「日本人女性の半数は冷え性である」といわれています。とくに女性においては、冷え性により引き起こされる悩みは尽きません。

 

冷え性が動脈硬化や糖尿病といった他の病気の「症状のひとつ」であり、命に別状がないものと捉えられてきたからです。

また、西洋においては「冷え性」の概念が存在しません。こうした背景が、定義があいまいで研究が十分にされていない要因となっています。

 

冷え性の主な原因

冷え性の原因は特定されていません。一方で、考えられている原因には以下の内容があげられます。

 

冷え性は「自律神経の異常」が定説

冷え性の原因の最たるものが「自律神経の異常」です。

 

日本では冷え性は「自律神経失調症の症状のひとつ」と考えられます。

冷え性を訴える人の多くは不眠、便秘、頭痛などの不調をきたしている場合が多く、症状が自律神経失調症の症状と重なることが理由のひとつです。

 

冷え症の生理学的メカニズムを明らかにすることを目的とした研究が、日本看護技術学会学術集会で発表されました(※2)。若年健常女性計20人(うち冷え性12名)を対象に、自律神経の活動を指標化したところ、次のような結果となりました。

冷え症群は非冷え症群とくらべ,安静時の交感神経活動が高く,副交感神経活動が低いことが示された。

 

交感神経には血管を収縮させ血圧を上げ、体を活動できる状態にするはたらきがあります。

冷え性の人は交感神経が常に優位にはたらくため血管が収縮した状態が続き、末端まで血液が送れなくなると考えられます。

 

自律神経が乱れる原因は、不規則な生活やストレスによる日周リズムの変化、更年期によるホルモンバランスの乱れなどがあります。

スマホやPCなどの画面を長時間見ることのほか、空調による温度差の影響なども考えられます。

 

貧血や血行不良、遺伝の可能性も

冷え性の原因には、貧血や血行不良があげられます。貧血になると体は酸素不足におちいり、生み出す熱量が低下します。

血行不良は足の筋力や血管が衰え、足に送られた血液を上半身へ戻しにくくなることが一因です。

 

デスクワークなどで血管が圧迫されても、末端に送られる血液量が低下し、血行不良になります。血行不良はむくみの原因になるため、血管がさらに圧迫されて血液を送れなくなってしまいます。心あたりがある人は、運動習慣から改善しましょう。

 

また、産業医科大学病院の女性職員20歳から50歳の女性318名を対象に、冷え性に関する質問調査を行った結果、冷え性と遺伝の関連性も示唆されています(※3)。

冷え性を有するものの母親はその60%以上がやはり冷え性であり,冷え性でないものとの間に有意差を認めた。

ただちに関係性が認められたわけではありませんが、遺伝要因も原因として考えられます。

 

冷え性の4つのタイプと原因

冷え性は症状から以下の4つのタイプに分類できます。

自分がどのタイプに当てはまるかを確認して、該当する原因を探ってみましょう。

 

1)手足冷えタイプ

「自律神経の乱れによって手足などの末端にうまく血液を送れない」「体内で熱を十分に生み出せない」などが原因とされています。

 

2)内臓冷えタイプ

手足や体の表面は温かいのに、内臓が冷えてしまうタイプです。胃腸の不調などの症状が現れてから気づく場合が多いです。「手足冷えタイプ」同様、自律神経の乱れにより、末端の血液を体の中心に戻せないことが原因とされています。

 

3)下半身冷えタイプ

お尻や太もも、脚が冷えているタイプです。長時間のデスクワークや筋力低下による下半身の血行不良が原因とされています。

 

4)全身冷えタイプ

高齢者などに多くみられ、基礎代謝の低下が原因とされています。また、他のタイプが複合している可能性もあります。

 

参照:あなたの冷え症は何タイプ!? | 健康管理能力検定 文部科学省後援

https://kentei.healthcare/info/column/?p=3686

 

運動習慣と食習慣が冷え性に与える影響とは

冷え性の原因として、運動や食事もよくあげられます。実際のところ、冷え性にどのくらい影響しているのでしょうか。

 

運動しても改善しない冷え性?その原因は

運動不足は「手足」「下半身」「全身冷え」タイプが該当する問題です。

筋肉量の低下によって、基礎代謝の低下や血液を送るポンプの役割を果たせなくなることが原因とされています。

 

しかし、女学生を対象とした調査結果では、運動習慣と冷え性に関連性がみられませんでした。健康な女子学生68名(うち冷え性自覚者は38名)を対象にした調査からの引用です(※4)。

冷えの自覚の強い群とそうでない群との間には活動量の指標(歩数、消費エネルギー、運動時間、中等度以上の運動時間・頻度)のどれも有意差がなかった。

あわせて、運動量が少なくても冷えに悩むとは限らないこともわかった。

 

続いて、愛知県下の短期大学に所属する女子学生449名のアンケート調査の結果をまとめたものの抜粋です(※5)。

中学・高校時代に運動部に所属していた学生は、中学・高校とも運動部に所属していなかった学生と比較して冷えの愁訴に大きな違いは見られなかった。現在スポーツ・身体運動を実施しているかどうかは、冷え感の愁訴と関係はなかった。

 

 

冷え性は、過去と現在の運動習慣にかかわらず発症するといえます。これは若い人の冷え性が基礎代謝の低下や血管の老化によるものではなく、自律神経の異常によって引き起こされているからと考えられます。

 

引用文献には、長期にわたり運動を行っても基礎代謝を上げることは難しいとも述べられていました。

運動は筋肉を維持し、血流を改善できることは間違いありませんが、手足冷えタイプは自律神経が原因と考え、生活習慣の改善も考えていきましょう

 

冷え性と食べ物には大きな関連

栄養不足による原因は、すべての冷えタイプで考えられます。

 

先述の愛知県下の短期大学に所属する女子学生449名のアンケート調査によれば、冷え性の人はそうでない人よりも肉や魚、卵などの動物性タンパク質の摂取量が少ない傾向があります。

 

また、南九州大学管理栄養学科の女子107名を対象に、冷え性と食習慣などの関連を調査した結果では、冷え性の人は黄色野菜の摂取量も少ないようです(※6)。

 

タンパク質は摂取エネルギーの約30%が熱として消費されるため、食後の基礎代謝が増加します。糖質が約6%、脂質約4%なのでその差は圧倒的です。筋肉を維持する上でも重要な栄養素になります。

黄色野菜や大豆には血流を改善する効果があります。タンパク質と炭水化物のエネルギー比率を高めた食事にすると若年女性の冷え感が改善した例も存在し、食事内容の大切さがうかがえます。

 

現代人の多くが不規則な生活をしており、食事も偏りがちです。女性の場合、ダイエットなどを理由にカロリーを控える人もいます。

「同じものばかり食べていないか」「十分なエネルギーを摂れているか」、自分の食習慣を振り返り、改善しましょう。

参照:食事誘発性熱産生 / DIT | e-ヘルスネット(厚生労働省)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html

 

冷えの原因を知り効果的な改善を

冷え性の改善方法を知るには、自分の冷えの原因を知る必要があります。

冷え症の原因は人によりさまざまで、改善方法も異なります。

生活習慣を変えることは難しいですが、冷えの原因を知ることで、日常生活での意識に変化が生じてきます。

 

原因がわかれば対策も調べやすくなります。自分に合った改善方法を知り、生活習慣を変えていきましょう。


※1

引用元:「冷え症」の概念分析(中村幸代)日本看護科学学会誌 2010:30(1).62-71

URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jans/30/1/30_1_1_62/_pdf/-char/ja

 

※2

引用元:冷え症の生理学的メカニズムについて ―循環動態および自律神経活動指標による評価― (尾形優ほか)Ⅶ.結語(233)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/15/3/15_227/_pdf

 

※3

引用元:「冷え性の病態に関する統計学的考察」 日本産科婦人科学会雑誌7 (昭62,11月)考案

URL:http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10685706_po_ART0002219329.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

 

※4

引用元:「冷え性と身体活動の関連」(青木貴子、黒木由希子)岐阜私立女子短期大学研究紀要第59輯 平成22年3月 (考察)

URL:http://www.gifu-cwc.ac.jp/tosyo/kiyo/59/zenbun59/Hiesyo_Aoki.pdf

 

※5

引用元:「若年女性の冷え感と身体特性、生活習慣との関連性について」 藤田 公和(桜花学園大学)ほか スポーツ健康科学研究 39:19~27, 2017. 結論

URL:http://tspe.sakura.ne.jp/publish/doc/39_03_fujita.pdf

 

※6

引用元:女子学生の冷え症についての検討 小川恒夫ほか 南九州大学研報 44A: 61-66 (2014)

URL:http://www.nankyudai.ac.jp/library/pdf/44a-8.pdf

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